2022年度より先進工学部にデータサイエンス学科が新設されるのに伴い、現在本ページに掲載されている情報は一部変更になります。
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もはや生活の一部となったスマートフォンやインターネットをはじめ、情報技術は世界の在り方と、私たちの生活を大きく変えました。情報メディア工学は現代の工学技術に欠かせないものであり、その活用方法は現在進行形で拡大しています。本学科では情報工学の知識だけでなく、自ら情報発信を行うためのメディア表現技法も学修。世界に新しい価値を創造することができる、次世代のエンジニアを育成していきます。
「想像」から「創造」へ。プログラミング能力やソフトウェアの設計・開発能力を育成します。
メディア情報システムの設計・開発能力およびメディア・コンテンツ制作能力を育成します。
情報システムの構築能力およびビジネスシステムの企画・評価・マネジメント能力を育成します。
令和元年度卒業研究「スクリーン上の動物とコミュニケーションを体験するアプリケーションの開発」より
絵画や彫刻など従来からある芸術に対して、コンピュータを用いた新しい芸術は「メディア芸術」と呼ばれています。プロジェクションマッピングもそのひとつですし、観客の動きや働きかけによって動作するインタラクティブアートなどがその代表例です。私の研究室では、こうしたメディア芸術の分野において、コンピュータ技術の発展が、ものの見方や考え方にどのような影響を与えたのか、インタラクティブな作品やデザインの制作を通して実践的な研究をしています。具体的にはメディアインスタレーションの制作や、センサを用いたフィジカルコンピューティングの作品制作に取り組んでいます。たとえば、市販のデバイスのツールを用いて身体の動きをセンシングすれば、自分の身体がコントローラーとなり動きのある表現が可能になります。昨年の卒業研究では、センサを組み込んだデバイスを利用し、スクリーンの前に人間が立つと、骨格の位置をリアルタイムに検知し、スクリーンに映し出された鳥が肩先や指先に止まるという、観客参加型作品の制作などに取り組んだ学生もいました。
このようにコンピュータ技術の発展は、プログラミングによる美術表現を可能にしたことで、「インタラクション(双方向性)」というデジタルなものの見方や価値観を生み出しました。しかし、今の時代は、単に作品の中にインタラクティブな要素があるだけでは、観る人を満足させることはできません。人々は、デジタルな作品にナラティブ(物語性)を求めるようになっており、いくらコンピュータ技術を駆使して斬新な表現ができたとしても、そこに何の意味があるのか、この問いに答えられる作品でなければ、人々の記憶には残りません。研究室では、こうした批評的な見方も大切にしつつ、新たなメディア芸術の可能性を追究しています。
メディア芸術は、課題をテクノロジーで解決する「工学」と、世の中のさまざまな課題を提起する「芸術」、2つの領域が重なる分野です。そのためプログラミングとアートのスキルが重要となりますが、昨今はこの両方のスキルを持つ人が注目されています。プログラミングができる人とアートの素養を持った人、そのどちらか片方に精通した人は多くいますが、工学と芸術の両方の知識や実践力を持っている人は多くありません。所属学生の就職活動を間近に見ていても、そうした両者をつなぐ橋渡し役が求められていることを近年強く感じます。世の中に新たな価値を提供していくためにも、メディア芸術の知見を持つクリエイティブな人材がこれからの社会には必要なのです。
メディア芸術研究室
石原 次郎 教授
※2020年3月時点の情報です。
将来の進路にあわせて「ソフトウェアデザイン系」「メディアデザイン系」「ビジネスシステム系」の3系統を設置。
社会や未来への変化に対する感性を高め、次世代のメディアをデザインし、社会へ発信する力を培います。
課題を解決するためのシステムをチームで構築し、実践的問題解決能力を身につけます。
デザインリサーチ
情報デザインやインタフェースに関する調査・分析を行い、様々なメディア表現や情報デザインを用いて効果的な企画書を作成しプレゼンテーションを行います。
メディアデザイン
プロジェクトⅠ~Ⅳ
修得したプログラム言語を実践的に使いこなします。プロジェクトの企画からアウトプットまで学生が主体となって取り組みます。
映像製作実習
映像製作に必要な企画、撮影、編集に関する方法論と技術を学びます。
情報ボランティアⅠ~Ⅲ
地域の学校や施設で、情報活用支援やシステム開発にボランティアとして関わります。修得した知識を活かしつつ、問題解決能力の向上をめざします。
ヴァーチャルリアリティ(VR)
春日部市の「ゆかたでナイト」での投影風景
額緑を使ったプロジェクションマッピング
埼玉で活動するバンド「アオイ」のミュージッククリップ
クロマキー合成のための撮影
インタラクティブ作品の展示
4年 磯部 佑太 さん (埼玉県立草加高等学校出身)
※学年は2020年3月時点のものです。
1学年からカレッジマイスタープログラムの「フィジカルコンピューティング工房」に所属し、プログラミングや電子工作など幅広いものづくりに挑戦しました。障がい者向けのアプリケーション開発に取り組んだとき、普段はあまり表情を出さないという肢体不自由の方がアプリケーションを通して冗談を言ってくれたのが嬉しくて、もっとコミュニケーションがとれるようになりたいと思い、視線推定技術を学び始めました。4学年からは、肢体不自由の方が視線入力装置を使って意思伝達できるコミュニケーションロボットの開発などにも参加し、技術力の向上に努めました。
授業以外では、いろいろなコンテストに何度も挑戦。昨年は、第3回ドコモ近未来社会学生コンテストに応募し、外部にいる人の視線を疑似体験できる「視界共有システム-アイシス」で最優秀賞を受賞。また、今年はJIDE学生文化デザイン賞2019に応募し、健常者も使用できる義足で、装具使用への抵抗感の軽減をめざした「拡張身体abii」でグランプリを受賞しました。
卒業研究では、視線推定技術をさらに突きつめたいと考え、機械学習を用いた視線推定や文字盤への応用に取り組んでいます。さらに高度な研究にも挑戦したいので大学院への進学も決めました。今後は障がい者の方が身近なスマートフォンやタブレットを用いて視線入力できる機能を実現したいです。
将来の進路
大学院進学/システムエンジニア/データベースエンジニア/データアナリスト/システムコンサルタント/メディアデザイナー/映像デザイナー/Webデザイナー/CGデザイナー/マルチメディアクリエータ/Webプログラマ/ゲームプログラマ/教員・公務員
めざす資格(分野共通)
ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者、データベーススペシャリスト、ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト、情報セキュリティマネジメント、高等学校教諭一種免許(工業)、中学校教諭一種免許(技術・数学)
複雑系工学研究室
佐藤 進也教授 [博士(情報理工学)]
ソフトウェア工学研究室
粂野 文洋 教授
[ 博士(工学)]
計算理論研究室
神林 靖准教授 [Ph.D.]
情報数理研究室
北久保 茂准教授
[博士(理学)]
最適化アルゴリズム研究室
松浦 隆文准教授
[博士(工学)]
知能ソフトウェア工学研究室橋浦 弘明准教授
[博士(工学)]
コンピュータグラフィックスプログラミング研究室
山地 秀美教授 [博士(工学)]
メディア芸術研究室
石原 次郎教授
映像・メディアアート研究室
大山 麻里教授 [学術学修士]
映像情報研究室
松田 洋准教授 [博士(工学)]
情報・メディア教育研究室
大橋 裕太郎准教授 [博士(学術)]
メディア表現研究室
小林 桂子准教授
計算知能化研究室
辻村 泰寛教授[ 工学博士]
画像・映像メディア認識研究室
新井 啓之教授 [博士(情報科学)]
論理設計検証研究室
中村 一博准教授 [博士(工学)]
ネットワーク情報システム研究室
勝間田 仁教授 [博士(工学)]
数理情報工学研究室
丸山 友希夫准教授 [博士(先端科学技術)]
経営情報システム研究室
大宮 望准教授 [博士(工学)]