これからの建築に求められるものは何か。快適な生活や、いきいきとした街や地域、魅力的で安全に過ごせる空間など、そこにはたくさんの要素が秘められています。
建築コースでは、建築デザインとエンジニアリングの両側面から、実践的なものづくりと理論を同時に修得します。ただ建物をつくるだけではなく、遠い未来の人々の暮らしまでもイメージしながら、まちづくり・地域づくりに取り組める建築家・建築技術者を育成します。
建築から都市までの企画・計画・設計を学修。手書きとコンピュータ(CAD)の両方で設計します。
災害に強い建築、健康で快適な居住環境の実現をめざし、実験を重視して工学的に建築を学びます。
建築デザイン・設計、歴史、計画、構造、材料、環境など建築物に関するあらゆる分野を学びます。
学外とのコラボレーションや共同研究などを通して、学生の自主性と積極性を育成します。
一級建築士の資格取得をめざすカリキュラムを用意。大学で単位を修得し、卒業後直ちに受験可能です。
構造計画
建築と構造の関係、力の流れと形のしくみ、構造力学の基礎について、模型実験や調査を通じて主体的に学びます。
建築設計Ⅲ
図面や建築模型を使って、どんな人がどのように建築空間を使うかを考察し、設計について理解を深めます。
建築環境実験演習
光や音、空気、温度、湿度などの環境は、快適性に大きく関わります。計測機器による測定法を修得し、建築環境について理解を深めます。
地盤工学
土質力学・基礎構造に関する力学、各種土質試験、屋外試験に関する基礎知識を修得し、地盤調査に必要な構造計算や判定方法を学びます。
4年 小澤 智博 さん (千葉県立松戸六実高等学校出身)
※学年は2020年3月時点のものです。
大学4年間で一番印象に残っている出来事は、3年生の時に挑戦した景観まちづくりプランのプロジェクトです。「第3回かすかべビジネスプランコンテスト」に応募し、賞をいただきました。
春日部市の中心市街地を活性化させるためにはどうすればよいか。私たちは地域の方と交流して課題点を抽出し、憩いのスペースと新たな創業者に出店機会を提供するマルシェを企画しました。地元企業の協力を得て、敷地内の駐輪場にベンチを設置させてもらい、住民が集う休憩所をつくる社会実験に挑戦。実験の授業で生じた廃材を利用してベンチを製作し、地域の方と色を塗り、レイアウトを工夫しながら、休憩所の有効利用について考えました。
このプロジェクトでは、PDCAサイクルを何度も回すことが重要だと実感しました。また、自分たちが提案した改善点に対して、地域の方からどんな反応が得られるのかも興味深く、学生ながらに街づくりに参加できた一体感も味わいました。プロジェクトに関わる前は、“街は自分たちの手では変えられない”と思い込んでいましたが、今は“自分たちも提案し、変えていけるんだ”と思えるようになりました。卒業研究では、春日部での適用にむけて、学内にある休憩所のベンチの付近にセンサを設置して利用状況の分析と改善に取り組んでいます。学生の間にやりがいのあるプロジェクトに出会えたことに感謝しています。
建築計画/ハウジングデザイン研究室
佐々木 誠教授 [博士(工学)]
建築計画/施設デザイン研究室
木下 芳郎准教授 [博士(工学)]
建築計画/空間デザイン研究室
徐 華准教授 [博士(工学)]
建築設計・計画研究室
竹内 宏俊准教授 [博士(工学)]
建築設計・意匠研究室
小川 次郎教授 [博士(工学)]
建築設計・都市デザイン研究室
吉村 英孝准教授 [博士(工学)]
建築文化史・修復デザイン研究室
西本 真一教授 [博士(工学)]
近現代文化・環境形成史研究室
安野 彰教授 [博士(工学)]
木質構造研究室
那須 秀行教授 [博士(工学)]
建築生産研究室
片岡 誠教授 [博士(工学)]
基礎構造・地盤工学研究室
田中 実准教授 [博士(工学)]
建築材料研究室
田中 章夫助教[博士(工学)]
鋼構造/構造設計研究室
上田 学准教授[修士(工学)]
シェル・空間構造研究室
箕輪 健一准教授 [博士(工学)]
建築環境工学研究室
三坂 育正教授 [博士(工学)]
建築環境設備研究室
吉野 一教授 [博士(工学)]
実際に型枠を組み立ててみることで部材の納まりや手順を理解します。
ひとつの建物が完成するまでには、企画、設計、施工とさまざまなプロセスがあります。私の研究室では、こうした一連の建築プロセスに対して、情報技術や機械技術を活用した生産性向上の研究に取り組んでいます。
なかでも近年求められているのが、建築現場でのコミュニケーションの改善による生産性向上です。昨今の建築現場は人手不足が深刻化し、日本語で細かい指示が伝わらない外国人労働者が多く働いています。そのため、日本人と外国人労働者との間で、作業の内容が的確に伝わらないという課題が現場で発生することが考えられるのです。このようなミスコミュニケーションは、建築作業の品質、コスト、工期に大きな影響を与えるため、有効な課題解決の手法が求められています。
私の研究室では、この課題に対して、建築作業を分かりやすく伝える非言語(ノンバーバル)コミュニケーションの研究に取り組んでいます。たとえば、釘の打ち方を伝えたいとき、日本語で説明するよりもタブレットやスマートフォンを使って、ピクトグラムやスタンプなど、ビジュアル化して伝えるという具合です。この方法であれば、日本語が分からない外国人労働者も、イラストを見ただけでパッと短時間で理解することができます。
建築作業というのは複雑で、たとえば型枠の組み立てでは解体のことを考慮して釘を完全には打ち込まないこともあります。このような緻密な内容を的確に伝えるためには、どのように非言語化すれば良いでしょうか。研究室では現在、型枠工事における一つひとつの建築作業に対して、どのような作業や技術があるのかを抽出し、分析しています。意識して体を動かす実作業を通して、作業の内容を記述化し、非言語化の手法を提案していきます。
また建築現場の作業だけでなく、熟練した職人の勘や工夫なども非言語化できれば、熟練者から若年者への技術継承にも有効だと考えています。そもそも建築生産の分野をテーマに取り組む研究室は多くありません。しかし、当面の建築業界を考えると人材不足や外国人労働者の受け入れは避けがたく、非言語コミュニケーションは将来的に期待される研究なのです。
建築生産研究室
片岡 誠 教授
※2020年3月時点の情報です。
将来の進路
大学院進学/建築設計者(大規模建築・住宅設計など)/構造設計者/設備設計者/まちづくりコンサルタント/保存技術者/建築積算士/施工管理者/現場監督/建材メーカ技術者/技術研究所員/確認申請員/教員・公務員
めざす資格(分野共通)
一級建築士(指定科目の単位を修得し、卒業後直ちに受験可能)、二級建築士・木造建築士(指定科目の単位を修得し、卒業後直ちに受験可能)、1級建築施工管理技士(卒業後3年以上の実務を経て受験可能)、建築積算士、建築積算士補(指定科目の単位を修得し、在学中に受験可能)、1級インテリア設計士(卒業後1年以上の実務を経て受験可能)、インテリアプランナー(在学中に受験可能)、高等学校教諭一種免許(工業)、中学校教諭一種免許(技術・数学)
製図室
製図室には、一人一台の製図台を完備。授業時間以外でも、自分のペースで製図や模型製作に集中して取り組むことができます。
デジタルデザイン室
建築技術センター
建築構造実験研究棟
ヒートアイランドモデル