NIT TRAIN LABO

NIT TRAIN LABO

No.13~18(2019年掲出)

NITトレインラボは、本学教員の研究内容を紹介する場。
東武線全線の「ドア横ポスター」に掲出した内容は、この特設サイトにて動画や写真で詳しくご紹介いたします。
さぁ、NITトレインラボへGo!

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地球にも人にもやさしい「暮らし」をデザインする

建築学部 建築学科 生活環境デザインコース 環境共生・建築設備研究室
樋口佳樹 准教授

余市エコビレッジ人工湿地

 余市エコビレッジは、NPO法人北海道エコビレッジ推進プロジェクトが運営しており、「住民が互いに支えあう仕組み」と「環境に負荷の少ない暮らし方」を実践しているコミュニティです。そのエコビレッジ内の学び舎と呼ばれる施設からの台所排水を処理するシステムを考案し、ワークショップで手作りしました。
 台所排水はふたつの排水枡へ流れ込み、沈殿汚泥とスカム(浮遊汚泥)を取り除きます。次に、人工湿地第一処理槽では、砂利の上から排水を散水し、鉛直流により好気性微生物のチカラで有機物などを分解します。その後、人工湿地第二処理槽では、水が常に溜まった状態にして、水平流により嫌気性微生物による脱窒(窒素を除去する)を行います。
 このように、台所排水をきれいにしてから地域の水域へと放流します。浄化装置は、お金をかければ、もちろん高性能な設備を導入することができますが、メンテナンスを自分でできるシステムこそが重要であると思います。身の回りの材料を使い、しくみを理解して、みんなで作ることがとても尊いことなのです。

竹式傾斜土槽システムの試作

【概要】
 傾斜土槽法とは、四電技術コンサルタントの生地正人氏が考案した、底面に傾斜をつけた容器に担体を敷き詰めて、排水を流下させることで浄化するシステムです。電力を使わないため、低コストでメンテナンスが容易であるという特徴があります。底面には、高さが30mm程度の遮水壁があり、排水は遮水壁を乗り越えながら流下していきます。

【しくみ】
 竹式傾斜土槽システムは、貯留槽と傾斜土槽で構成されます。傾斜土槽用の竹は、節を30mm程度のこして加工します。台所排水は貯留槽に流れ込み、麻紐を伝いながら、傾斜土槽へと流入し、傾斜土槽では節を乗り越えながら、流下していきます。

【傾斜土槽の作り方】

  1. まずは、直径15cm程度の大きな孟宗竹を用意します。
  2. 加工する為の下書きを行います。
  3. 傾斜土槽の製作について、説明します。竹の繊維にそって、ノミで裂いていきます。
  4. 節を3cm程度残して、削り取っていきます。
  5. 完成しました。
  6. 次に、貯留槽の製作を説明します。貯留槽では竹の節をすべて削り取ります。
  7. 傾斜土槽へ流下させるために、直径5mmの孔をあけます。
  8. 浄化装置をうけるための脚を製作します。余った竹を使うと良いでしょう。ピンコロと竹を固定し、浄化装置を載せる部分は、V型にカットし、滑り止めのスポンジ等を取り付けます。
  9. 仮設置をして、貯留槽が水平かどうか、傾斜土槽の角度は適切かなどを確認します。
  10. 台所排水が貯留槽に流れ込む部分を調整します。
  11. 最後に、処理水を受ける壷などを設置し、完成です。

 台所排水は、傾斜土槽の長さが長くなるにしたがって、きれいになっていきます。小さな循環のある暮らしは、都会でも実践できる。竹式傾斜土槽システムは、デザイン性もよく、住まい手が排水浄化を楽しむことができる画期的な装置です♪

▶生活環境デザインコースの紹介 ▶樋口佳樹准教授の紹介

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余市エコビレッジ人工湿地

余市エコビレッジ人工湿地

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消えた画像の空白部分をディープラーニングで予測して、復元する!

先進工学部 ロボティクス学科 田村研究室
田村仁 准教授

画像修復とは

 画像修復とは、画像内に入り込んだノイズや画像の欠損箇所を修復する技術です。ここでは、動画にあるように画像の中に白い四角状に欠損が発生したとします。
もちろん、四角い欠損部分にどんなものが写っていたかの情報は一切消滅していますから、残念ながら欠損前の絵を復活させることは絶対に不可能です。そこで、あくまでそれらしい絵を新たに書き加えることで修復することを考えます。これを最新の画像合成技術を使って、それっぽくなるべく自然な絵を人工的に合成して修復を図るわけです。
これが、画像修復技術です。

深層学習による画像合成

 機械に自然な画像を作画させる研究では、最近では深層学習(Deep Learning: ディープラーニング)を使って行うものが主流になってきました。
深層学習の中でも自動的に作画させる手法で有名なものがGAN(Generative Adversarial Network: 敵対的生成ネットワーク)です。GANではANN(Artificial Neural Network: 人工的神経回路網)を2つ使用します。まず大量の画像を学習させて絵を生成するジェネレータと、その絵が本物の写真かジェネレータによって生成されたCGかを区別するディスクリミネータの2つです。
ジェネレータはディスクリミネータを騙せるように写実的なCGを生成するように学習され、ディスクリミネータはそれに騙されずに本物と偽物を判別できるように学習します。お互いライバルががんばって相手に負けないように学習をすすめることで、結果的に優秀なジェネレータが実現でき、写真と見間違うような絵を出力させることができるようになります。
この研究では、復元する前にまず欠損部の輪郭線を予想してから着色することで、より自然な絵を合成できるように性能を向上させています。

動画の説明

 10万枚以上の画像を使って何度も何度も学習を重ねさせます。最新のPCでも1週間以上学習に時間がかかります。1番目の動画では、学習が進むに連れて少しずつ自然な画像を合成できるようになっていくのがわかります。学習に使用した画像なら、かなり自然な画像を生成し、もとの写真と同じような状態にすることまで可能です。
これを、学習には使わなかったまったく別の画像を持ってきて試しに画像復元させることで、この画像修復法の性能を評価します。2番目の画像では、様々な画像に対する結果をいくつもお見せします。学習に使用した画像に比べると、まったく特徴の違う画像を復元することになるのでかなり不利な条件になります。
2番目の動画をみると中にはあまりうまく復元できていないものもありますが、惜しいものもあります。がんばってはいるのですが、全体的には少しぼけてしまう印象がどうしても残ります。

この技術のこれから

 他の研究では、復元する画像の種類を限定すれば、例えば人間の顔の画像だけに限定してしまえば、もっと性能を上げることは簡単です。実際に人間の顔を修復する高性能なものが作られています。しかし、それではおもしろくありません。どんな画像でも修復できる方法がきっとあるはずです。
今は輪郭線をうまく予想する方法の条件をいろいろ試していて、うまく輪郭線を再現できればもっとぼやけないできれいな画像を合成できるようにがんばっています。

▶ロボティクス学科の紹介 ▶田村仁准教授の紹介

 

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電気自動車向けのハイスペックな「全固体電池」を開発!

基幹工学部 応用化学科 固体電気化学研究室
白木將 教授

 わたしたちの生活に電池は欠かせません。こどもの頃には、電池で動くおもちゃで遊び、大人になった今ではスマートフォンやモバイルパソコンで利用しています。自動車のエンジンを始動するときにも電池は必要です。電池には1次電池と2次電池があります。乾電池のように、使い切ったら終わりの電池を1次電池、車や携帯電話のバッテリーのように、充電して何度も使える電池を2次電池と呼びます。何度も繰り返し充電して利用できる電池が理想的な2次電池です。

 リチウム電池は、正極(プラス)、負極(マイナス)、電解質の3つから構成されています。電解質を通って、リチウムイオン(Li+)が正極と負極の間を行き来することにより、充電と放電の反応が起きています。正極と負極は固体ですが、電解質には可燃性の液体が使用されています。そのため液漏れや発火の危険性があり、重大な事故につながることもあります。そして、固体の電解質を利用した全固体電池は、安全性に優れ、電気自動車などの大型バッテリーへの応用が期待されています。また、電気自動車の普及によって、エネルギー・環境問題の解決につながることも期待されています。安全で、充電を繰り返しても劣化しない全固体電池をつくることが、わたしたちの電池研究の目標です。

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 バルクでは単結晶の合成が困難な物質であっても、薄膜の状態であれば単結晶ライクなエピタキシャル薄膜の作製が可能になる場合があります。薄膜合成では、薄膜の原料となる物質を高温に加熱して気化し、基板上でエピタキシャル成長させる手法が一般的です。わたしたちは、パルスレーザー堆積法(PLD)や分子線エピタキシー法(MBE)、スパッタ法などの薄膜合成技術を活用して電池材料の薄膜合成に取り組んでいます。さらに、正極、固体電解質、負極の薄膜を積層し、薄膜型の全固体電池を作製して、充放電特性、サイクル特性、交流インピーダンス法を用いた抵抗分離測定等の評価を行っています。リチウムイオンが電池材料の中でどのような経路を移動、充放電反応が進むのかを明らかにすることによって、高性能な全固体電池の実現を目指します。

▶応用化学科の紹介 ▶白木將教授の紹介

 

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薄膜型全固体電池を測定する様子

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電力を伝えてモノを動かし、
インフラを支える技術開発

基幹工学部 電気電子通信工学科 電気機器/マイコン制御研究室
上野貴博 教授

 モーターは携帯電話から自動車、宇宙ステーションまで様々な環境で使われています。
しかし、一般的には隠れた場所で使用されていて表舞台には出てきません。

 自動車に使われるモーターは、1台の自動車で100個を超えると言われています。
 そのモーターは暑い場所、寒い場所など過酷な環境下で活躍しています。過酷な環境でも壊れず動作する必要があります。そこで,信頼性と耐久性が重要であり、その研究を基礎から行っています。
 100年以上の長い歴史を持つモーターでも、いまだ分からない現象が多くあります.古くて新しい最先端の技術研究を行っているちょっとユニークな研究室です。

 このモーターの耐久性に関係する部品として、整流子とブラシがあります。この部品は、モーター内部にあり、固定されている部品から、回転軸に取り付けられた部品へ電力供給をすることで回転力を発生させています。
 この部品はお互いに擦りながら電力供給しています。つまりこの部品は時間とともに摩耗してきます。材料の摩耗が進むと安定した電力供給ができず、モーターが停止する、つまり故障となるわけです。

 固定部品から回転または移動部品へ電力供給する現象を、電気摺動接触現象と言っています。この現象は、モーターのみならず、電気鉄道のパンタグラフすり板とトロリー線、風力発電機やCTのブラシ・スリップリングシステムなどで発生します。
 スリップリングシステムとは、回転体へ電力供給するために用いられます。
 仮にこの電気摺動接触機構を用いないで回転体へ電力供給する場合は、動画1に示すように回転体に取り付けた電線が回転軸に絡まっていくことで、いずれ電線が断線してしまいます。
 そこで、動画2のように回転体(スリップリング)にブラシを接触させて電力供給することで、断線せずに安定した電力を供給することができるのです。

 日常生活では、この部品を目にすることはほとんどありませんが、もしこの部品が接触不良などの不具合を発生すると、電車が停止する、停電するなど、インフラに影響がでてしまうのです。
 このような、インフラを支える技術として、安定した電気摺動接触を確立するために、ブラシの低摩擦、低摩耗、低電圧降下を目指して研究開発をしています。

▶電気電子通信工学科の紹介 ▶上野貴博教授の紹介
▶ テレビ埼玉「オープンキャンパスナビ(見逃し配信①)」

 

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移動物体に電気を通電(電流を流す)する際、摺動材料(こすっている材料)がないと、電線が絡まる動画

摺動材料を使ったときの動画

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「反射」という現象をナノレベルで制御して
金属の表面に光を閉じこめる

基幹工学部 機械工学科 光テクノロジー研究室
小崎美勇 准教授

光を閉じこめて使うプラズモニクス

 金属の表面は光を良く反射します。良く磨けば顔が映るくらいきれいに反射します。なかでも金や銀は宝飾品の材料としてつかわれ、人々を魅了しています。しかし貴金属の魅力は目に見える輝きにだけにあるわけではありません。条件が上手く整ったとき、光は金属によってその表面に閉じ込められます。そこには光の魅力が凝縮されていると言えるでしょう。このような現象を利用する分野をプラズモニクスと呼びます。

光は電子の振動―表面プラズモンポラリトン―として閉じ込められる

 光は電磁波、つまり電場と磁場の波です。一方、金属内には自由に動き回ることができる自由電子がたくさんあります。光が金属に入射するとその電場の波が電子を揺さぶります。結果として電子が波うちます。その電子の波によってつくられた電場がまた光として放出されたものが反射光です。条件を整えれば、光のエネルギーは放出されずに金属表面に貯まります。それを実現する金属として、数十ナノメートル(100万分の1ミリメートル)レベルの微細な粒子、針、薄膜などが良く知られています。

数十倍の光強度・色の選択性・周辺環境に敏感な励起条件

 表面プラズモンポラリトンの応用の基本は高い光強度にあります。普段は飛び回っている光をどんどん捕まえて閉じこめるわけですから、そこでは高い光密度が期待できます。したがって光を効率よく利用することができます。
 光の閉じ込めは電子の振動の相互作用の結果だから、光を閉じこめるのに適した振動数(時間当たりの振動の回数)というのがあります(ブランコという遊具を思い浮かべてみると良いかもしれません。タイミングよく背中を押さないとブランコの振れ幅は大きくなりません)。光の色の違いは、その波の振動数の違いです。したがって、電子をゆらして表面プラズモンポラリトンにする光の色を調整することもできます。写真の三色の薔薇は、ホログラフィという立体像の記録再生技術とプラズモニクスを組み合わせて表示したものです。
 人間の目には無色透明に見えても、表面プラズモンポラリトンを使えば見分けることもできます。光が表面プラズモンポラリトンとして閉じ込められるか否は、そんな物質の違いにも左右されるからです。たとえば、通常は水もアルコールも人間の目には無色透明に見えます。ですが表面プラズモンポラリトンを用いれば、動画のように水がアルコールに入れ替わる様子を可視化することもできます。

キラキラ輝く貴金属。そこにある科学も一緒に身に着けられたら素敵ですね!

▶機械工学科の紹介 ▶小﨑美勇准教授の紹介

 

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ホログラフィ

無色透明の水とアルコールが入れ替わる様子を可視化

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