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NO.26 強風の持つエネルギーを無駄にしない! 風車の安全を担う "ブレーキ"をつくり出す

NITトレインラボ 2021.07.01

基幹工学部 機械工学科 エネルギー工学研究室 丹澤 祥晃 教授


研究室では、風力エネルギーの利用、温度差エネルギーの利用、湿り蒸気の流動などについて研究しています。

垂直軸風車は、デザイン性に優れていて風向変化に対して万能に対応できるのですが、自己起動性が弱く高風速での加速が速いため、急激に回転数が上昇し制御が難しいといわれています。そこで、【写真】のジャイロミル型垂直軸風車の下に、高回転数時に飛び出す空気抵抗ブレーキを取り付け、風車の暴走を防ぐ研究を行っています。

写真に写っている3枚の白い板状のものが翼で、それらの中心に垂直の回転軸があります。奥に映っているのが「風洞」でここから風が吹き出すと、このジャイロミル型垂直軸風車は回転軸を中心に回転します。この風車が回っている様子を【動画1】に収めています。

空気抵抗ブレーキのブレーキ板は、水平に取り付けて低回転時の空気抵抗は小さく、飛び出すときは90°回転して空気抵抗が大きくなる工夫をしています。徐々に風が強くなったときの空気抵抗ブレーキの様子を【動画2】に収めています。中にばねが入っていて、回転が速くなると遠心力でブレーキ板が徐々に飛び出してきて、風車の回転が速くなりすぎるのを防ぎます。風が弱くなって回転が遅くなるとブレーキ板は元の位置に戻っていきます。

空気抵抗ブレーキのさらに下には、発電機があって風力発電をしています。空気抵抗ブレーキを取付けると発電に利用できる風速域が広がり、弱い風から強い風まで風速が変動する中でより多くの発電が可能になります。
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