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NO14 電力を伝えてモノを動かし、 インフラを支える技術開発

NITトレインラボ 2019.09.01

基幹工学部 電気電子通信工学科
電気機器/マイコン制御研究室 上野貴博 教授

 モーターは携帯電話から自動車、宇宙ステーションまで様々な環境で使われています。 しかし、一般的には隠れた場所で使用されていて表舞台には出てきません。

自動車に使われるモーターは、1台の自動車で100個を超えると言われています。  そのモーターは暑い場所、寒い場所など過酷な環境下で活躍しています。過酷な環境でも壊れず動作する必要があります。そこで,信頼性と耐久性が重要であり、その研究を基礎から行っています。  100年以上の長い歴史を持つモーターでも、いまだ分からない現象が多くあります.古くて新しい最先端の技術研究を行っているちょっとユニークな研究室です。

 このモーターの耐久性に関係する部品として、整流子とブラシがあります。この部品は、モーター内部にあり、固定されている部品から、回転軸に取り付けられた部品へ電力供給をすることで回転力を発生させています。
 この部品はお互いに擦りながら電力供給しています。つまりこの部品は時間とともに摩耗してきます。材料の摩耗が進むと安定した電力供給ができず、モーターが停止する、つまり故障となるわけです。

 固定部品から回転または移動部品へ電力供給する現象を、電気摺動接触現象と言っています。この現象は、モーターのみならず、電気鉄道のパンタグラフすり板とトロリー線、風力発電機やCTのブラシ・スリップリングシステムなどで発生します。
 スリップリングシステムとは、回転体へ電力供給するために用いられます。  仮にこの電気摺動接触機構を用いないで回転体へ電力供給する場合は、動画1に示すように回転体に取り付けた電線が回転軸に絡まっていくことで、いずれ電線が断線してしまいます。
  そこで、動画2のように回転体(スリップリング)にブラシを接触させて電力供給することで、断線せずに安定した電力を供給することができるのです。

 日常生活では、この部品を目にすることはほとんどありませんが、もしこの部品が接触不良などの不具合を発生すると、電車が停止する、停電するなど、インフラに影響がでてしまうのです。
  このような、インフラを支える技術として、安定した電気摺動接触を確立するために、ブラシの低摩擦、低摩耗、低電圧降下を目指して研究開発をしています。
 ▶電気電子通信工学科の紹介 ▶上野貴博教授の紹介
 ▶ テレビ埼玉「オープンキャンパスナビ(見逃し配信①)」



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