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NO.11 「アクティブ制振技術」で 大空間構造物のデザインはもっと自由になる! 建築学部 建築学科 建築コース シェル・空間構造研究室 箕輪健一 助教

NITトレインラボ 2019.06.01

私が研究しているのは、室内に柱のない大きな空間をもつ建築構造物です。
この「大空間構造物」には、小中学校の体育館からドーム球場まで、様々なバリエーションがあります。
このような建物において、私たちは何をすることが出来るでしょうか。
例えば、スポーツ、コンサート、展示会など、楽しいことがたくさん考えられると思います。 一方、これらの建物は、台風や地震などの災害時に避難所としても用いられるため、安全性がとくに必要とされる大切な建物でもあります。 ここで、建物の地震に対する安全対策に目を向けると、建物に地震の揺れを伝わらないようにする「免震」や建物の揺れを吸収する装置を設置する「制振」という方法が提案されています。
 本研究では、この「制振」に分類される一手法である「アクティブ制振」を「大空間構造物」に適用することを検討しました。 この「アクティブ制振」とは、人体でいうところの、目にあたる「センサ」で感じて、脳にあたる「コンピュータ」で判断して、筋肉にあたる「アクチュエータ」を動かして、積極的に建物の揺れを抑えようとする方法です。

さて、ひとまず研究の成果(動画)をご覧下さい。
動画では、体育館等の屋根などを構成するのに良く用いられる円筒型のラチス(網目状の)シェルの振動実験の様子をご覧頂けます。 それぞれアクティブ制振を行っていない場合の振動実験の様子(上)とアクティブ制振を行っている場合の振動実験の様子(下)です。 動画では少しわかりにくいかもしれませんが、「アクチュエータ」としてボイスコイルモータと呼ばれる装置が2箇所に設置されています。
このボイスコイルモータ(アクチュエータ)が、屋根上に設置した加速度計(センサ)が揺れを感知すると、コンピュータ(コンピュータ)の指示に従って、数ミリ秒という速さで自動で動きます。

このように「アクティブ制振」を適用することで、「大空間構造物」の地震による変形を大幅に低減することができます。 もちろんこの際、ラチスシェルの各々の部材が負担する力も大幅に低減することができ、構造物の安全性を高めることが出来ます。 更にいえば、この技術で高い安全性を補償することができるようになれば、今までは安全性の問題で実現できなかった自由な形状をした大空間構造物を設計できるようになるかもしれません。 世の中があっと驚くような、かっこいい建築を一緒に作りませんか?

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